男女の不公平感に物申す。なぜ福沢諭吉が一万円札の人なのか?②

福沢諭吉がなぜ一万円札の人なのか?の続編です。
福沢諭吉の学問のすすめの中で、当時としては最先端の論、男尊女卑に物申す部分が、女性から見ると、痛快痛快、という話です。
福沢諭吉の論はこうです。
現代において、力づくで他人の権利を奪ったり、地位を落とすようなことは普通に罪として認められているはずであるのに、

なぜ家庭内では当たり前のようにそれが行われているのか?しかもそのことについて本気で議論する学者が全く見当たらないのは不思議で不思議で仕方ない、と。
今はこの時代よりだいぶマシになっていると思いますが、それでもまだまだ日本ではこの感じが残っていますよね。
特に顕著だと思うのは、子育てや家事について。当たり前のように女性の方が家事の負担が大きいことが多く、出産後も、当たり前のように女性だけが仕事を辞めたり、セーブしたりすることがまだまだ多いと感じます。(男性の育休取得率2%…)私の職場でも、私を含め小さい子供がいる女性が遅くまで残っていると、なぜか必ず「子ども大丈夫?ばあばとかに預けてるの?旦那がみてくれてるの?」と悪気なく聞かれます。その割に、奥さんが出産したばかりの男性が遅くまで残っていても「奥さん怒らない?」と聞かれることはたまーーにあっても、「子ども大丈夫?夕飯大丈夫?」とは聞かれません。
なんでや。ダンナがみてくれてるって何やねん。くれてるって言っていいのは親かベビーシッターに子どもみてもらうときや。
諭吉曰く、女は子どもの頃は親に従い、結婚したら夫に従い、老いては子に従えとという言葉があるが、なんじゃそらそら、お前はバカか?(出川風)ということ。自分で考えずに常に誰かの言いなりになれということを大真面目に諭すとは、どうかしてるぜ、人権侵害よろしく!ということ。


そして、男が妾をもったり、横柄は態度をとっても女はいつもニコニコ言うことを聞けとする当時の風潮に対して、諭吉さんはハッキリと
ほんなら男性諸君、全く同じこと妻がやったらどうでっか?奥さんが経済力があって、旦那以外の男を何人か抱え込んで、お前は何も物申さずにいつもニコニコして家事とかやっとけと言われたらどうでっか?それで家庭内円満上手くいきますわというなら私もこれ以上うるさく言いませんよ、そこんとこいっちょ検討よろしく!チェケラ!
とバッサリと斬り、しかもね、男性の最後の切り札である「でも子孫を残さないとダメじゃん?本妻とだけ子どもできないこともあるじゃん?孟子だってさ、”子孫を残さないことは3つの指折りで数える親不孝”とか言ってるじゃん」という論に備えて、
「言っておくけど本妻に嫌な思いさせてまで子ども産んで、その子が、産まれた時点で本妻から、人格に関係なく疎まれるの可哀想だし、だいたい孟子が言えばなんでも正しいと思い込むのもバカなんですか?事情があって、産みたくても子供が産めない夫婦がいるのにそれを親不孝というのもどの口がいうとんねん、自分の頭で考えて、例え偉人が言ったことでも違うって気づけよ、救いようのないバカめ」
と更に斬りつけて、しかも極めつけに大人のマザコン達にトドメをさして、
親孝行が悪いとは言わないし、子供のうちは親の言うこときくのは正しいことやで、でもさ、日本の昔ながらの美談で、親を養うために、泣く泣く子どもを捨てたり生き埋めしたりして生活費を捻出した、みたいなのまだまかり通ってるけど、それ親孝行じゃなくて、サイコパスですから、頭おかしいでしょ、と付け加えています。

子どもを生き埋めに、はさすがに令和では身近できかないですけど、私の友達は、旦那がめっちゃ(パチンコ中毒の)母親に仕送りするからうちらの生活切り詰めさせられる、と言っていました。それくらいは未だによくあるかもしれませんね。

更にそれだけでは気が済まなかったのか、あと全国のお姑さん、お姑の立場になったからと良い気になっちゃいけませんで、あなたが良いお姑になれるかどうかは、旦那さんの言うこと聞くことでもなく、息子の言うこと聞くことでもなく、かつての自分のお姑さんにされて嫌だったことを反面教師として思い出すこと、これだけでっせ、よろしくチェケラ!!
と今度は男性だけでなく姑にもひとくぎ。学があって、地位もある人だったのに、それほどまでに、自分と違う立場の人の気持ちに思いを馳せることができたというのは、本当に、本当に、頭でっかちではなくて、真の賢者だなと、と思いました。
学問のすすめの最後の方で、とにかく学を広げるために、色んな人との交流を広げていくこと。人と交わることが面倒なタイプもいるだろうけど、人間が人間怖がってる場合じゃねぇよ、お前の敵はそこじゃねぇよ。とも言っていました。女性からも色々聞いていたのでしょうか?
あ、なんか私の言葉で訳すとなんかノリが変な感じなんですけど、要するにそんなような感じでした。

だからこそ、本当に誰にでもオススメしたい本です。

現役の美術教員が、教育、アート、美術史について考えながら、アート、絵画教室を開きたいなぁ…と考えるブログ。

現役の中学校美術教員が、名古屋市名東区、千種区に、アート、絵画、デザイン教室、また、後々にはオルタナティブスクールを開きたいなぁ…と考えながら綴るブログ。

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